今季限りで20年間の選手生活にピリオドを打ち引退を決め、もはやNBAのコート上では伝説として扱われているコービー・ブライアント選手。その選手のNikeのシグネチャー・ラインであるNike Kobeシリーズは今年で11作目ですが、
最近行われたインタビューで本人が引退後もNike Kobeシリーズのデザインに関わっていく事が明らかになりました。現在は次期シリーズのデザインにナイキのチームは取り掛かっているようですが、なんと本人曰く、次の3作品(12,13,14)のシルエットも構想済みであるようです。その時々の流行やレトロ品を改変する事はせず、常に
技術革新にフォーカスを当てたイノベーションの最先端を担うラインとなるようです。
以下、インタビューの訳です。
Q. 引退前にあなたの最後となるシリーズを公表されましたが、いかがですか?
K. 最高だよ。プレイヤーでありながら開発に携われた歴史に誇りを持っている。かなり入れ込んだからね。
Q. 11年間ナイキと共に仕事されていますが、1番誇りに思われているスニーカーはありますか?
K. 難しいね。その時々の瞬間がとても刷新的なもので、だからこそどれか一つを選ぶのは難しい。最も勇気を要した決断はコービー4でローカットに挑戦した事だ。とても勇気の要る決断だった。バイヤーになぜローカットに転換するのか、技術革新の点から、アスリートのパフォーマンスの点から、また、靴に盛り込んだ技術、例えばヒールロック、実際にこれはハイカットの靴よりも安全性が増すのだが、こういった説明をした事を今も覚えている。とても勇気の要る転換だった。成功すれば業界の刷新となり、失敗すれば最悪の事態、まさにその分岐点だった。
Q. あなたの引退後、コービーシリーズはどうなりますか?
K. 我々は一貫して今まで行って来た事を続けるだろう。それは技術革新された商品で選手を最高な状態に導く事だ。これは変わらない。ファッション性にはフォーカスを当てない。フォーカスするの技術革新そのものだ。おそらくコービーシリーズの購入者はもう気付いていると思うが、いかに靴が考え抜かれて作られているかが分かるだろう。我々は常に細部に拘っている。購入者は自分のパフォーマンスを高めてくれる製品を購入している。それは変わらない。
Q.つまりコービー12,13、とそれ以降も続くとおっしゃられているのですか?
K. もちろんだ。我々は引き続き進化する。そしてこのシリーズも進化し続けるだろう。
Q. 引退後、ナイキとはどのように関わっていかれるのですか?イノベーション・キッチン(ナイキの研究所)に入られるのですか?他のアスリートと仕事されるのでしょうか?
K. 今と変わらないだろう。我々は最初からから最後まで最大限に関わる。この11年間で我々はとても親しくなったし、コミュニケーションの形を確立した。このとても良い流れは止まらない。
Q. コービーのデザイナーのエリック・エイバー氏と休暇を共に過ごすと聞いたのですが、これは本当ですか?
K. そうだ。一緒にシャーク・ダイビングしたよ。
Q. どんな事を話されるのですか?
K. 驚くとは思うが、靴の事に関しては殆ど離さない。自然の事を話す。自分の世界観も話すね。人情や文化についても話す。これら全ての事を話す、つまりインスピレーションだ。そしてこれらは必然的に製品に還元される。我々は世界には神秘的なものがあり、それは製品に関係してると考えている。とてもオタクな話に聞こえるかもしれないが、これが我々の考え方だ。
Q. おっしゃられるような恣意的な会話がどのようにして製品に還元されたか、一例を頂けませんか?
K. 我々が今生きている社会は繋がる社会だ。それは透明感のある社会でもある。そしてこの社会に対しての我々の挑戦は、いかに人々と尊敬の念を持って、お互いの人生を尊重しつつ、コミュニケーションを取るかでもある。違うかい?
Q. 私が今までにない程にスニーカーに関して深い会話になってる気がします。
K. これが我々のやってる事だよ。これをやっているんだ(笑)。例えばこのような会話がある。「もし我々の持ってる技術、フリー、ズーム、ルナー、フライニット、これらが好意的に、また尊敬の念を持って、それぞれがコミュニケーションを取り、調和するにはどうしたらよいだろう?」というのは、通常はこれらの技術は個別に機能する。しかし我々は、「一緒に調和させよう。」と言った。我々の繋がるという文化は、これらの文化が一つの物として機能する事を夢見ている。だからこれは表現できる技術を作ろう。こういった例が我々のマニアックなとこさ。
Q. 現在に時計の針を戻しますが、オールスター・ウィークエンドが近々あります。スニーカーにしてみれば大きなイベントです。最後に何か特別のシューズを公開されるのでしょうか?
K. 配色やストーリー性という事では我々は特別なシューズを公開する事になると思う。ケーキを用意するが冷却方法は変える、そういった事だ。ケーキを作るところが難しいんだがね。
Q. あなたは違った「冷却方法」で作られたシューズを履かれるのでしょうか?
K. もしファンの皆さんが私をもう一度観たいのであれば、ファンの皆さんは意思を伝え、私はその場にいるだろう。もしそうならなくても私には構わない。私はもう何度もオールスターでプレーしたし、次の世代をサポートする事に胸が高鳴る。
Q. あなたが前回トロントに来られた時は、デマール・デロザン選手が餞別としてカスタマイズされた靴をプレゼントされてました。この靴はどうされたんですか?
K. 言葉が見つからないのだが、私が建てたノスタルジー部屋みたいなのがあって、私の長いキャリアで得た装具や思い出が保管されてある。
Q. どのような貴重なスニーカーが保管されているのですか?
K. Nikeとのパートナーシップで作られた靴はすべて保管してある。また、アメリカではリリースされていない靴もある。選手生活で得たハードウェア以外、つまり試合で履いた靴や81得点した時の靴やジャージも保管してある。
Q. あなたの靴はチャンピオンシップのリングと共に保管されているのですか?
K. もちろんだ。靴は旅の一部だからね。チャンピオンシップ・シリーズで履いた靴は全て保管している。チャンピオンシップ・リングと靴はワンセットだ。履いた靴抜きではチャンピオンシップ・リングは得られなかったからね。かなり靴には助けられた。
Q. そこには唯一的な靴はありますか?例えばあなたしか持っておらず誰も見たことがないような。
K. アメリカではリリースされていない製品はいくつかある。クロストレーナーの靴を作った事があるんだが、これはなかなかヤバかった。それは誰も見たことがない。私には特別なものだがね。
Q. あなたは次世代の選手について言及されましたが、カイリーのような新しくシグネチャモデルを持った選手をメンターする事はあるのですか?
K. 彼とは話した事がある。他の選手とも同様の事を話したこともあるし、可能な限りなるべく多くの情報を他の選手と共有して助けようと試みてるよ。大切な事は自分の本音で話す事だ。私が誰で、何を代表しているのか。何を正当化して、何を大切にしているのか。そういった事が製品に還元されると思う。しかしまず最初に自分自身を知ることだ。
Q. それは何だったのですか?
K. 革新が私にとっては最も重要だった。それが最重要事項。バスケットボールの競技やそれ以外の事は2次的なものだった。それが私だった。カイリーやそれ以外の選手は自分達の声を探さなくてはならない。
Q. レブロン・ジェームス選手が前代未聞の生涯ナイキの選手として契約されました。どう思われますか?
K. 凄い事だと思う。素晴らしい。まさに前代未聞だね。もしあなたが選手達を見て育った子供であるならば、それが良い見本だと思う。レブロンは彼の選手生活を超えて幅広くビジネスをできる人だと思う。子供達がそれをお手本にできる事は素晴らしい。
Q. 最後の質問です。2 on 2のバスケットボールの試合です。片方のチームはあなたとエリック・エイバー氏。そして相手はマイケル・ジョーダンとティンカー・ハットフィールド氏。どちらが試合に勝ち、そしてあなたは何の靴は履いていますか?
K. 僕達だよ。若いから(笑)。
Q. 簡単でしたね。
K. (笑)まあ追加だけども、エリックと私はジョーダンを履くだろうし、彼らはコービーを履くだろう。
Q. 是非やりましょう。
K. 最高だよ。
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courtesy of Nike |
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